Amazonプライムの料金は国によって大きく異なり、特にトルコやエジプトといった国では、日本の半額以下で利用できることをご存知でしょうか。
こうした事実を受け、VPNを使って安い国のAmazonプライムを契約しようと考える人が増えています。しかし、この方法には多くのリスクとデメリットが潜んでおり、決して簡単な話ではありません。
本記事では、VPNを利用してAmazonプライムを安く契約する手順から、潜むリスク、向いている人の特徴までを徹底解説します。
VPNでAmazonプライムを安く使う基本知識
VPNを使ったAmazonプライム契約の前に、基本的な仕組みと背景を理解しておくことが重要です。
Amazonプライムの安い国
国名 | 月額料金(現地通貨) | 年額料金(現地通貨) | 月額料金(米ドル換算) | 年額料金(米ドル換算) |
---|---|---|---|---|
日本 | 600円 | 5,900円 | 約$4.10 | 約$40.32 |
アメリカ | $14.99 | $139 | $14.99 | $139.00 |
イギリス | £8.99 | £95 | 約$11.41 | 約$120.50 |
ドイツ | €8.99 | €89.90 | 約$9.73 | 約$97.27 |
インド | ₹299 | ₹1,499 | 約$3.61 | 約$18.08 |
エジプト | EGP 29 | EGP 249 | 約$0.61〜$0.94 | 約$8.06 |
トルコ | TRY 39 | N/A | 約$1.21〜$1.42 | 約$10 |
ナイジェリア | N/A | N/A | 約$1.84〜$3.00 | 約$11 |
フィリピン | N/A | N/A | 約$2.63 | 約$12 |
ポーランド | PLN 10.99 | PLN 49 | 約$2.75 | 約$12.24 |
ブラジル | BRL 14.90 | BRL 119 | 約$3.01 | 約$24.02 |
Amazonプライムの料金が安い国としては、トルコ、エジプト、インド、ブラジルなどが有名です。
たとえば、トルコでは月額39トルコリラ(約1.2ドル程度)、エジプトでは月額29エジプトポンド(約0.8ドル)という驚きの低価格設定となっています。
日本では年額5,900円(月額換算約600円)ですが、これらの国ではさらに安く、数分の一の価格で利用できるのです。
この価格差が、多くの人がVPNを使った契約を検討する理由となっています。
VPNでAmazonプライムを安く使う方法【手順解説】
VPNを使った契約には、いくつかの段階があります。それぞれに注意点があるため、慎重な対応が求められます。
まず、Amazonプライムのブロックを回避できる実績のあるVPNを選びます。NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkなどがよく挙げられます。
無料VPNは避けた方が無難です。接続が不安定だったり、個人情報の漏洩リスクが高まったりするからです。
契約したVPNサービスの公式サイトからアプリをダウンロードし、インストールします。
スマホ、PC、タブレットなど、利用予定の端末すべてに対応したアプリが提供されているか確認しましょう。
VPNアプリを起動し、トルコやエジプトなどのサーバーに接続します。
接続完了後、IPアドレスが変わっているか確認することが大切です。正しい国のIPアドレスになっていなければ失敗する恐れがあります。
VPN経由で対象国のAmazonサイト(例:amazon.com.tr)にアクセスします。
日本版Amazonにアクセスしてしまわないように、ブラウザのキャッシュクリアを忘れないようにしましょう。
対象国向けに新たなAmazonアカウントを作成します。
日本のアカウントと同じメールアドレスは使わないことが鉄則です。異なるアカウントにしないと、既存アカウントにも影響が及ぶ可能性があるためです。
新規アカウントでログイン後、その国のAmazonプライムに申し込みます。
支払い方法の入力に進みますが、ここで大きな壁に直面するかもしれません。
VPNでAmazonプライムを安く使うメリット
VPN利用には大きなリスクが伴う一方で、メリットも存在します。
ここでは主なメリットを整理します。
圧倒的な料金差で節約できる
最も大きな魅力は、やはり月額・年額料金を大幅に節約できる点です。
例えば、米国のAmazonプライムが年額139ドル(約20,000円)に対し、エジプトでは年額約8ドル。
節約額は1万円以上にもなり、大きなコストカットが期待できます。
他国の限定コンテンツが見られる
安い国で登録すると、その国限定のPrime Videoコンテンツにもアクセスできる可能性があります。
海外ドラマや映画、現地向けのオリジナル作品に興味がある人にはメリットと言えるでしょう。
複数アカウントを作って使い分けできる
別の国のAmazonアカウントを作成すれば、日本用と海外用でアカウントを使い分けることができます。
必要に応じて切り替えができるため、用途によって最適な利用が可能です。
VPNでAmazonプライムを安く使うデメリットとリスク
次に、絶対に無視できないデメリットについて詳しく見ていきます。
Amazon規約違反でアカウント停止リスク
VPNを使って地域制限を回避する行為は、Amazonの利用規約違反に該当します。
違反が発覚すると、アカウント停止や利用制限がかかるリスクがあり、安易な利用は非常に危険です。
VPN検出で頻繁に接続エラー
AmazonはVPN接続を検知するためのシステムを導入しています。
そのため、「VPNまたはプロキシを無効にしてください」というエラーが頻繁に発生し、正常に動画を視聴できない可能性が高いです。
決済方法の壁が非常に高い
最大の障壁は、支払い方法の確保です。
現地発行のクレジットカードが必要だったり、日本のカードが拒否されたりするケースが多発しています。
この壁を乗り越えられないと、安い料金での契約は夢のままで終わります。
コンテンツが貧弱な可能性あり
料金が安い国では、Prime Videoのコンテンツ数が著しく少ない場合があります。
思っていたような豊富なラインナップにアクセスできず、がっかりするリスクもあります。
安く使うなら、どんな人に向いているか?
VPNを使って安くAmazonプライムを契約する方法は、誰にでも向いているわけではありません。
以下のような特徴に当てはまる人には、検討の価値があるかもしれません。
- 技術的なトラブル対応に慣れている
- 支払い手段の工夫ができる
- 最悪アカウントが停止されても構わない
- 海外コンテンツに強い興味がある
- 自己責任でリスクを受け入れられる
逆に、安定したサービス利用を重視する人には、この方法は絶対におすすめできません。
まとめ|誰にでもおすすめできる方法ではない
VPNを使ってAmazonプライムを安く契約する方法は、理論上は成立します。
しかし、支払い方法の確保、VPN検出による頻繁なアクセスエラー、Amazon利用規約違反によるアカウントリスクなど、多くのハードルが存在します。
さらに、コンテンツの質も期待外れであるケースがあり、節約効果以上にストレスを感じる結果となるかもしれません。
このように総合的に考えると、一般ユーザーにとってVPNを使った海外契約は非常にリスクが高く、現実的な選択肢とは言えません。
安心して長期的にAmazonプライムを楽しみたいなら、日本国内の正規料金で契約するのが最も賢明です。
どうしてもチャレンジしたい場合は、すべて自己責任で慎重に行動してください。