「VPNって危ないイメージ…、違法性について教えて!」
「VPN利用の注意点は何?よくわからない!」
「VPNは海外で使っても大丈夫…?」
VPNを利用すると、自分のIPアドレスを隠しインターネットにアクセスできるため、VPNを使ったことがない人は違法性について不安に感じるかもしれません。
しかし、結論としては日本を含む多くの国でVPNは合法です。現在、日本ではビジネスや個人でVPN利用が増えているため、インターネットのセキュリティ対策として重要視されています。
ただし、一部の国ではVPNが規制されているため、渡航の際には注意が必要です。
この記事では、VPN利用時の注意点と違法性について解説します。最後まで読んでいただくことで、国内外で安心してVPNを利用することができます。
VPN(仮想プライベートネットワーク)とは?
VPNとはVirtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)の略称で、VPN接続することで個人を特定されずに通信内容も暗号化されインターネットにアクセスできます。
VPN接続をすることで「悪意のあるハッカー」「個人情報取得をビジネスとする業者」から情報を収集される心配なく通信できます。
さらに、VPNを使うことで実際のIPアドレスを隠し、異なる地理的位置からインターネットにアクセスしているように見せることで、特定の地域からしかアクセスできないウェブサイトやサービス(ジオブロックされたコンテンツ)へのアクセスを可能にします。
以下の記事で、VPNについての詳しい解説や利用シーンを解説しています。ぜひ、ご覧ください。
- VPNの暗号化アルゴリズムによって悪意のある第三者からトラフィックが保護されます
- 実際のIPアドレス特定が不可能となり個人や地域の特定ができない
- 海外サーバにVPN接続することでステルス的に海外のIPアドレスとして通信できる
- VPNプロバイダーの回線品質によって通信速度が左右される
国内でのVPN接続の違法性|日本では合法
日本国内でVPN接続サービスの利用は合法であり、法律違反ではありません。
しかしながら、VPNを利用した「薬物の犯罪」「著作権侵害」「ウイルスの拡散」これらは違法行為として禁止されおり、処罰の対象になります。
多くの国でVPNが合法とされる理由
VPNの法的地位とその背後にある法律の枠組み、プライバシー保護とインターネットの自由を通じて、VPNが多くの国で合法的に認められている理由を解説します。
VPNの法的地位と規制の欠如
VPNは、多くの国で合法的に利用されています。その理由は二つです。
法制度の遅れ | テクノロジーの進化に対して、法制度が追いついていない場合があります。したがって、具体的な規制が存在しない場合、VPNの利用はデフォルトで合法となります。 |
規制の困難性 | VPNはインターネットの基本的な仕組みを利用しています。そのため、VPNを規制するためには、インターネット自体の構造を変える必要があり、これは技術的にも社会的にも難しいです。 |
VPNとプライバシー保護とインターネットの自由
VPNはインターネットの自由を守るための、プライバシー保護の強力なツールとして世界中で認識されています。以下の要素が、VPNの合法性を支えています。
個人情報の保護 | VPNはインターネット上での個人の行動を匿名化し、情報の漏洩を防ぎます。 |
匿名性の確保 | VPNを利用することで、ユーザーの行動は追跡されにくくなります。これは、個人のプライバシーを保護するために重要な要素です。 |
情報への自由なアクセス | VPNは地理的制限を超えた情報アクセスを可能にします。これは、情報への自由なアクセスを保証するために重要です。 |
表現の自由 | VPNはユーザーが自由に表現できる環境を提供します。これは、表現の自由を守るために重要な要素です。 |
VPN利用時のリスクと対策
VPNを使用すると、インターネットのプライバシーを保護することができますが、一部のリスクが存在します。ここでは、それらのリスクとその対策について詳しく説明します。
クリックすると詳細情報にジャンプします
ISPにVPNの利用を知られる
自宅やモバイル機でインターネットを利用するには、ISP(インターネットサービスプロバイダ)のアクセスポイント(基地局)を介してインターネットに接続する必要があります。
インターネット情報犯罪は、VPNを使用して行われることが多いため、ISPはすべてのインターネット利用者がVPNを使用しているかどうかを監視することができます。
ただし、ISPが知ることができる情報はVPNサーバーのIPアドレス、すなわちVPNを使用しているかどうか、接続時間、通信量のみです。
VPNプロバイダに情報を搾取される
VPNプロバイダ自体がユーザーの情報を収集し、それを悪用する可能性もあります。
特に、無料でVPNサービスを提供するプロバイダは、主に個人情報と通信ログの収集によって収益を得ています。無料VPNの利用は控え、有料でノーログポリシーのVPNサービスを利用することを強く推奨します。
無料VPNのリスクについて、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
- ユーザーの行動を追跡している可能性がある【個人情報の収集】
- ユーザーの活動情報を広告主に送信している【通信ログの収集】
- 不透明な運営元による個人情報の漏洩
- 通信の暗号化技術が低くセキュリティが貧弱
VPNを規制する国|12カ国
VPNの利用には国によってさまざまな規制があります。以下に、VPNを規制する12か国とその詳細を紹介します。
- ベラルーシ
- 北朝鮮
- イラク
- トルクメニスタン
- オマーン
- 中国
- ロシア
- イラン
- UAE(アラブ首長国連邦)
- エジプト
- トルコ
- ウガンダ
VPNの利用自体を違法とする国
これらの4カ国は、国内でVPNの利用自体が違法とされています。
- ベラルーシ
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VPNやTorを含む一部のインターネットサービスが全面禁止されています。これは国家の情報統制の一環となっています。
- 北朝鮮
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国家がコントロールできない全てのインターネットの利用が制限されています。VPNを含む非公式の通信手段の使用は違法とされています。
- イラク
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テロリストによるコミュニケーションを防ぐため、VPNの利用が違法化されています。
- トルクメニスタン
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国家による厳格なインターネット規制の一環として、VPNの利用が禁止されています。
許可されたVPN以外の利用を違法とする国
これらの4カ国は、許可されたVPNのみ使用が可能。違反すると罰金、あるいは禁固刑になります。
- 中国
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政府が許可したVPN以外の利用が違法とされています。
これは国家による情報のコントロールの一環で、”Great Firewall”と呼ばれるシステムを使用してインターネット規制が行われています。
- ロシア
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政府が許可したVPN以外の利用が違法とされています。
2017年には法律が施行され、未承認のVPNサービスを提供する行為が禁止されました。
- イラン
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政府が許可したVPN以外の利用が違法とされています。
国内のインターネット利用を厳しく監視するため、このような規制が行われています。
- オマーン
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非承認のVPNの使用が違法とされています。
オマーン政府は情報の流れをコントロールするために、承認されたVPN以外の利用を禁止しています。
VPNは合法だが、違法・不道徳行為の取り締まりの厳しい国
これらの3カ国は、VPNを使ってイスラム教で禁止するコンテンツの視聴を違法としています。
- UAE(アラブ首長国連邦)
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VPNを使用して違法行為(例えば、不適切なコンテンツの視聴やスパム行為等)を行うと、罰金や刑罰が科せられることがあります。
- エジプト
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VPNを使用して違法行為(例えば、政府批判の発信や著作権侵害等)を行うと、刑罰が科せられることがあります。
- トルコ
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VPNを使用して違法行為(例えば、政府批判の発信や不適切なコンテンツの視聴等)を行うと、刑罰が科せられることがあります。
VPNは違法ではないが海外のSNS利用を禁止する国
以下の国では、VPNの利用は違法ではありませんが、そのVPNを使って海外のSNSへのアクセスを行うことが禁止されています。
- ウガンダ
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VPNの利用自体は違法ではありませんが、政府による情報統制の一環として、VPNを使用して海外のSNS(例えば、FacebookやX(旧Twitter)へのアクセスを禁止しています。
Q&A|よくある質問と回答
まとめ
この記事では、VPNの違法性について解説してきました。
日本でのVPN利用は合法であり、利用はまったく問題ありません。むしろ、通信ログのハッキングなどの犯罪に巻き込まれないためにも、日頃からVPNの利用をおすすめします。
ただし、海外の一部の国では、VPN利用に規制をかけており、海外でVPNを利用するさいは、現地の情報をチェックして使ってください。
- 日本を含む多くの国でのVPN利用は合法
- 日本からVPNを合法とする国へのVPN接続も合法
- VPNを規制する国でのVPN利用時は、現地の情報を収集すること