Chromebookはサンドボックス化や自動更新といった機能で、デバイス自体を保護する堅牢なセキュリティを誇ります。しかし、そのセキュリティは主に「デバイス」を守るものであり、インターネット上を行き来するあなたの「通信データ」までを守るものではありません。
私がChromebookを使う上で最も重要視しているのは、この通信データの保護です。特にカフェや空港などの公衆Wi-Fiを利用する機会が多いユーザーにとって、VPN(Virtual Private Network)は単なるアクセサリーではなく、必須のツールと言えます。
この記事では、ChromebookでVPNを最大限に活用するための知識を、選び方から設定方法、おすすめのサービスまで網羅的に解説します。
ChromebookでVPNが必須である4つの理由
Chromebookを安全かつ快適に利用するために、なぜVPNが必要不可欠なのでしょうか。ここでは、VPNが提供する具体的なメリットを4つの視点から詳しく解説します。
理由1|公衆Wi-Fiの脅威から通信を守る
カフェや空港で提供される公衆Wi-Fiは非常に便利ですが、セキュリティ上のリスクが潜んでいます。これらのネットワークは暗号化が不十分な場合が多く、悪意のある第三者によって通信内容を盗み見られる「中間者攻撃」の危険に常に晒されています。
VPNは、あなたのChromebookとVPNサーバーの間に暗号化された安全なトンネルを構築します。これにより、たとえ同じWi-Fiネットワーク上に攻撃者がいても、あなたのデータは完全に暗号化され、解読されることはありません。私が公衆Wi-Fiを利用する際は、必ずVPNに接続して通信の安全を確保しています。
理由2|プライバシーを保護し追跡を回避する
自宅のWi-Fiであっても、インターネットサービスプロバイダ(ISP)はあなたのインターネット活動を監視することが技術的にできます。どのサイトを訪れ、どんな情報をやり取りしているかが記録される可能性があるのです。
VPNに接続すると、あなたのIPアドレスはVPNサーバーのものに置き換わります。これにより、あなたの本当の所在地や身元が隠され、ISPやウェブサイトによる追跡を効果的に回避できます。プライバシー保護を重視するなら、信頼できる「ノーログポリシー」を掲げるVPNを選ぶことが極めて重要です。
理由3|地域制限(ジオブロック)を解除してコンテンツを楽しむ
多くの動画配信サービスやニュースサイトは、ライセンス契約上の理由から、IPアドレスに基づいてアクセスできるコンテンツを制限しています。これを「ジオブロッキング(地域制限)」と呼びます。
VPNを使えば、この地理的な壁を簡単に乗り越えることができます。例えば、海外のVPNサーバーに接続するだけで、あたかもその国からアクセスしているかのように振る舞え、日本からは視聴できない海外限定の映画やドラマを楽しめます。
理由4|安全なリモートアクセスを実現する
企業や大学のネットワーク内にあるファイルサーバーやデータベースは、通常、外部からアクセスできません。リモートワークや遠隔学習が普及した現代において、自宅や外出先からこれらのリソースに安全にアクセスする必要性が増しています。
VPNは、Chromebookと組織のネットワーク間に安全な接続を確立し、まるでオフィスやキャンパスにいるかのように内部リソースへアクセスさせてくれます。これにより、場所を選ばずに安全かつ効率的に仕事や学習を進められます。
ChromebookへのVPN設定方法|3つの導入経路
ChromebookにVPNを導入する方法は主に3つあります。あなたの利用目的や技術レベルに合わせて最適な方法を選びましょう。
方法1|Androidアプリの利用(最も推奨)
現代のほとんどのChromebookはGoogle Playストアに対応しており、Androidアプリを利用できます。これが、大多数のユーザーにとって最も簡単で高機能なVPNの導入方法です。
VPNプロバイダが提供するAndroidアプリをインストールして接続するだけで、Chromeブラウザだけでなく、他のAndroidアプリやLinuxアプリも含めたChromebookからのすべての通信が保護されます。私が最も推奨する方法であり、以下の手順で簡単に設定できます。
- 手順1|任意のVPNサービスに登録する
- 手順2|ChromebookでGoogle Playストアを開く
- 手順3|契約したVPNのアプリを検索し、インストールする
- 手順4|アプリを起動し、ログインする
- 手順5|「接続」ボタンをクリックしてVPNを有効にする
この方法の最大のメリットは、キルスイッチ(VPN切断時に通信を遮断)やスプリットトンネリング(特定のアプリだけVPN経由にする)といった、各社が独自に開発した高度な機能を利用できる点です。
方法2|Chromeブラウザ拡張機能の利用
VPNサービスの中には、Androidアプリとは別にChromeブラウザ専用の拡張機能を提供しているものがあります。これは、ブラウザ内での通信のみを保護する軽量なツールです。
設定はChromeウェブストアから拡張機能を追加するだけで完了します。Androidアプリのインストールが許可されていない環境や、ブラウジング時のプライバシー保護だけを素早く行いたい場合に便利です。ただし、保護範囲はブラウザに限定されるため、システム全体を保護したい場合はAndroidアプリを使いましょう。
方法3|ChromeOS内蔵機能での手動設定
Chromebookには、L2TP/IPsecやOpenVPNといったプロトコルに対応したVPNクライアント機能が標準で搭載されています。これは主に、企業や大学が提供するプライベートVPNに接続するために使用する方法です。
設定には、サーバーのホスト名や事前共有キーなど、ネットワーク管理者から提供される専門的な情報が必要です。一般のユーザーが個人で利用する商用VPNサービスの場合、この方法を選択する必要はほとんどありません。
Chromebook向けVPNの選び方|失敗しないためのポイント
数多くのVPNサービスの中から、自分に合ったものを選ぶための重要なポイントを解説します。特に「無料」という言葉には注意が必要です。
「無料VPN」に潜む重大なリスクとは
VPNの導入を検討する際、無料サービスは魅力的に見えます。しかし、その多くはあなたのプライバシーを危険に晒すビジネスモデルで成り立っています。
- データ販売|多くの無料VPNは、ユーザーの閲覧履歴や接続ログを収集し、広告会社などの第三者に販売することで収益を得ています。これではプライバシー保護という本来の目的を果たせません。
- セキュリティの脆弱性|コスト削減のため、暗号化が不十分であったり、アプリにマルウェアが仕込まれていたりするケースがあります。
- 低品質なサービス|サーバー数が少なく回線が混雑しているため、通信速度が極端に遅くなります。さらに、厳しいデータ容量制限が設けられていることがほとんどです。
私が安全に推奨できる唯一の無料オプションは、ProtonVPNのような「フリーミアム」モデルです。これは有料プランの収益で運営されているため、ユーザーデータを販売する必要がなく、信頼できるプライバシーポリシーの下で利用できます。
信頼できる有料VPNの評価基準
安心して使える有料VPNを選ぶためには、以下の基準をチェックすることが重要です。
評価基準 | チェックするポイント |
Chromebookとの互換性 | 使いやすい高品質なAndroidアプリが提供されているか。 |
パフォーマンス | 通信速度は高速で安定しているか。動画視聴に耐えられるか。 |
セキュリティ | 強力な暗号化、キルスイッチ、RAMのみサーバーなどの技術を採用しているか。 |
プライバシーポリシー | ログを保存しない「ノーログポリシー」を掲げ、第三者機関による監査を受けているか。 |
サーバーネットワーク | サーバーの設置国や台数は豊富か。接続したい国にサーバーがあるか。 |
コストパフォーマンス | 料金プラン、同時接続台数、返金保証期間は妥当か。 |
【2025年最新】ChromebookにおすすめのVPNサービス4選
このサイトでおすすめするVPNサービスは「NordVPN」「ExpressVPN」「MillenVPN」「CyberGhostVPN」です。
VPN選びに迷ったら、この4つのVPNサービスから選んでくださいね。
NordVPN | ExpressVPN | MillenVPN
![]() | CyberGhostVPN | |
---|---|---|---|---|
管轄 | パナマ | 英領ヴァージン諸島 | 日本 | ルーマニア |
ノーロギング | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
暗号化規格 | AES-256-GCM | AES-256-GCM | AES-256 | AES-256 |
暗号化プロトコル | OpenVPN IKEv2 / IPsec WireGuard | OpenVPN IKEv2 L2TP/IPsec Lightway | OpenVPN IKEv2 WireGuard | OpenVPN IKEv2 WireGuard |
サーバー数 | 7,000台+ | 3,000台+ | 2,000台+ | 9,773台+ |
対象国数 | 108 | 105 | 106 | 91 |
同時接続 | 10 | 8 | 無制限 | 7 |
1ヶ月契約 | 2,110円/月 | 1,942円/月 | 1,496円/月 | 1,790円/月 |
6ヶ月契約 | – | – | – | 1,000円/月 |
1年契約 | 800円/月 | 1,000円/月 | 594円/月 | – |
2年契約 | 500円/月 | 748円/月 | 396円/月 | 320円/月 |
日本語対応アプリ | レ | レ | レ | – |
NordVPN|人気No.1のVPN
低価格で安定したVPNを提供するオールラウンダー型のVPN。
世界中のNetflixやAmazon Prime videoにアクセス可能、エリア制限が最も厳しい海外版DAZNも視聴できます。
中国や中東などの厳しい検閲には難読化サーバーで対応し渡航時にも最適です。
\ 新春セール開催中!今だけ73%OFF! /
<安心の30日間返金保証付き>
ExpressVPN|世界中で使える高速VPN
老舗VPNプロバイダ。VPN接続時の通信速度を重視するならExpressVPNがおすすめ。
VPNサーバーの提供エリアが広く、海外へのVPN接続にはこれを利用すれば間違いなし。海外で人気ナンバー1のサービスです。
1ヶ月プランの料金が他社より安く、短期のVPN利用におすすめです。
\今だけ!4ヶ月無料キャンペーン中!/
<安心の30日間返金保証付き>
MillenVPN|安心の日本企業運営
国産最大手のVPNプロバイダ。2022年8月に価格改定して、海外のプロバイダと引けを取らない価格設定となりました。
最大のメリットは日本語対応のアフターサービス。海外から日本のインターネットにアクセスに最適のプロバイダです。中国での利用もサポートしています。
海外のプロバイダと比較して、VPNサーバ数が少ないのが唯一の欠点。
\安心の国産VPN!日本の動画サービスに対応/
<安心の30日間返金保証付き>
CyberGhost VPN|Netflixに特化
CyberGhost VPNは2011年設立のルーマニアに拠点を置く老舗VPNプロバイダーです。
ストリーミング専用サーバーの提供や専用IPの利用オプションなどの独自サービスが充実しており、Netflix、Amazon prime video、Disney+などのストリーミング視聴に最適なVPNです。
\ 期間限定オファーで最大84%まで割引! /
<安心の45日間返金保証付き>
ChromebookでVPN利用時によくある問題と解決策
VPN導入後の、いくつかの一般的な問題とその解決策について解説します。
無料VPNの利用は非推奨
VPN接続サービスの中には無料で提供されているものが存在しますが、無料VPNサービスは主に個人情報と通信ログの収集によって収益を得ています。無料VPNの利用は控え、有料のノーログポリシーのVPNサービスを利用することを強く推奨します。
無料VPNのリスクについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
- ユーザーの行動を追跡している可能性がある【個人情報の収集】
- ユーザーの活動情報を広告主に送信している【通信ログの収集】
- 不透明な運営元による個人情報の漏洩
- 通信の暗号化技術が低くセキュリティが貧弱
VPN接続の違法性|日本では合法
日本国内でVPN接続サービスの利用は合法であり、法律違反ではありません。
しかしながら、VPNを利用した「薬物の犯罪」「著作権侵害」「ウイルスの拡散」これらは違法行為として禁止されており、処罰の対象になります。
VPNの違法性については、以下の記事で詳しく解説してます。
まとめ

今回は、ChromebookでVPNを利用するための方法や選び方について、網羅的に解説しました。
Chromebookの堅牢なセキュリティはデバイス自体を守るものですが、インターネット上の通信データを保護するためにはVPNが不可欠です。特に公衆Wi-Fiを頻繁に利用する方や、プライバシーを重視する方にとって、VPNは必須のセキュリティツールです。
この記事を参考に、あなたの使い方に最適なVPNを選び、Chromebookでのインターネットライフをより安全で自由なものにしてください。