Nintendo Switch 2の登場で、オンラインプレイがますます盛り上がります。しかし、快適なゲーム体験を求めると「VPN」や「SmartDNS」といった言葉を目にすることが増えます。私がオンラインゲームで勝敗にこだわる時、ネットワーク環境は非常に重要です。
「どっちがゲームに最適なの?」と迷っている人も多いでしょう。この記事では、Nintendo Switch 2で快適に遊ぶため、VPNとSmartDNSのどちらを選ぶべきか、その理由と導入方法を詳しく解説します。
結論|Switch 2の快適プレイにはVPN一択
快適なゲームプレイ、つまり「ラグ(遅延)の軽減」や「セキュリティの確保」をNintendo Switch 2で実現したい場合、選ぶべきはVPNです。SmartDNSは、その目的において比較対象になりません。
なぜなら、SmartDNSはオンラインゲームのパフォーマンス(Ping)やセキュリティ(DDoS攻撃からの保護)を改善する機能を持っていないからです。SmartDNSは、主に動画ストリーミングサービスの地域制限を回避するために設計された技術です。
一方で、VPN(仮想プライベートネットワーク)は、通信経路そのものを変更し、暗号化する技術です。これにより、セキュリティを劇的に高め、特定の条件下ではPingを改善する効果も期待できます。したがって、Nintendo Switch 2で真剣にオンラインゲームをプレイするなら、VPNが唯一のソリューションです。
なぜSmartDNSはゲームに向かないのか?
SmartDNSは、デバイスのDNS設定を変更するだけのシンプルな技術です。特定のWebサイト(主に動画サイト)にアクセスする際、そのリクエストだけを偽装して「別の国からアクセスしているフリ」をします。
この仕組みには、ゲームにおいて致命的な「3つの欠如」があります。
- 暗号化の欠如| 通信が暗号化されません。
- IPマスキングの欠如| あなたのIPアドレスは公開されたままです。
- ゲーム通信への不干渉| 実際のゲームプレイ中の通信(ラグに直結する部分)には一切関与しません。
結果として、SmartDNSはゲームのPingを1ミリ秒も改善しませんし、悪意のあるプレイヤーからのDDoS攻撃に対しても完全に無防備です。
なぜVPNはゲームに最適なのか?
VPNは、デバイスとVPNサーバーの間に「暗号化されたトンネル」を作ります。Switch 2からのすべての通信は、このトンネルを通ってVPNサーバーを経由してからゲームサーバーに接続されます。
この仕組みが、ゲーマーに絶大なメリットをもたらします。
- DDoS攻撃の防御| あなたの本当のIPアドレスが隠されます。攻撃者はVPNサーバーのIPアドレスしか見えないため、あなた個人を狙ったDDoS攻撃を無効化できます。
- ISPスロットリングの回避| 通信が暗号化されるため、プロバイダ(ISP)はあなたがゲームをしていることを判別できなくなります。これにより、ISPによる意図的な速度制限(スロットリング)を回避し、回線本来の速度を維持できます。
- Ping改善の可能性| プロバイダの通信経路(ルーティング)が非効率な場合、高性能なゲーミングVPNが提供する最適化された経路を通ることで、結果的にPingが改善(遅延が減少)することがあります。
ゲーマーが直面する3つの「快適じゃない」問題
「快適なプレイ」を妨げる要因を技術的に分解すると、問題は3つに集約されます。これらの問題を正しく認識することが、最適な解決策を選ぶ第一歩です。
私がオンライン対戦で最もストレスを感じるのも、まさにこれらのポイントです。
問題点1|パフォーマンス(遅延・ラグ)
オンラインゲーム、特に格闘ゲームやFPSでは、操作が画面に反映されるまでの時間(Pingまたはレイテンシ)が勝敗を分けます。この遅延が「ラグ」であり、快適なプレイの最大の敵です。
このラグの原因として、自宅の回線速度だけでなく、プロバイダ(ISP)がネットワーク混雑時にゲーム通信の速度を意図的に落とす「帯域幅制限(スロットリング)」も挙げられます。
問題点2|セキュリティ(DDoS攻撃)
特に競技性の高いゲームや配信を行っていると、DDoS攻撃の脅威にさらされることがあります。これは、悪意のある第三者があなたのIPアドレスを特定し、そこに大量のデータを送りつけてインターネット接続を麻痺させ、ゲームから強制的に切断させる攻撃です。
一部のP2P(プレイヤー同士が直接通信する)方式のゲームでは、IPアドレスが他のプレイヤーに知られやすく、非常に危険です。
問題点3|アクセシビリティ(地域制限)
快適なプレイには、遊びたいゲームやサーバーに「アクセスできる」ことも含まれます。
- eShopの壁| 日本では未発売のインディーゲームや、海外eShop限定のセールを利用したくても、地域制限(ジオブロック)で購入できません。
- サーバーの分離| 海外の友人と一緒に遊びたくても、リージョン(地域)が異なるために同じサーバーでプレイできないことがあります。
徹底比較|VPNとSmartDNSのメリット・デメリット
ゲームにおける3つの課題「パフォーマンス」「セキュリティ」「アクセス」の観点で、VPNとSmartDNSがそれぞれどう対処できるかを比較します。
両者の技術的な特性を理解すれば、どちらがゲーマーにとって価値があるかは一目瞭然です。私が機材を選ぶ際も、このように目的ベースで機能を比較検討します。
パフォーマンス(Ping・スロットリング)対決
SmartDNS
ゲームのPingには一切影響を与えません。良くも悪くもなりません。通信を暗号化しないため、ISPによるスロットリングも回避できません。
VPN
ISPスロットリングを回避できるため、ネットワークの安定性が向上します。ISPの通信経路が非効率な場合、VPNの最適化された経路を経由することでPingが改善する可能性があります。
裁定| パフォーマンスの維持・改善が期待できるのはVPNのみです。
セキュリティ(DDoS・プライバシー)対決
SmartDNS
IPアドレスの隠蔽(マスキング)も暗号化も提供しません。あなたのIPアドレスは丸見えであり、DDoS攻撃に対して完全に無防備です。
VPN
IPアドレスをVPNサーバーのものに変更し、完全に秘匿します。これによりDDoS攻撃の標的から外れます。全通信の暗号化によりプライバシーも保護されます。
裁定| VPNの圧勝です。SmartDNSにセキュリティ機能はありません。
アクセシビリティ(eShop・海外サーバー)対決
SmartDNS
主に「動画配信サイト」の地域制限回避のために設計されています。Nintendo eShopやゲームサーバー固有の地域制限を回避できる保証は一切ありません。
VPN
デバイスからの全通信を指定した国のサーバー経由にします。そのため、海外のeShopでの購入も、海外ゲームサーバーへの接続も確実に実行できます。
裁定| ゲーム関連のグローバルアクセスにはVPNが必須です。
比較まとめ表
両者の違いを一覧表にまとめます。
| 比較項目 | 高性能ゲーミングVPN | SmartDNS |
| ゲーム内Ping改善 | 可能性あり | 効果なし |
| ISPスロットリング回避 | ◎ 可能 | × 不可 |
| DDoS攻撃からの保護 | ◎ 可能 (IP隠蔽) | × 不可 (IP丸見え) |
| eShopの地域制限回避 | ◎ 可能 | △ 保証なし |
| 海外サーバー接続 | ◎ 可能 | △ 保証なし |
| 導入の手軽さ(Switch本体) | △ 間接的な設定が必要 | ◎ DNS設定のみ |
Nintendo Switch 2におすすめのVPNサービス
ゲームにはVPNが必須であると結論付けましたが、重大な注意点があります。Nintendo Switch 2(現行機と同様と想定)は、PCやスマホのようにVPNアプリを直接インストールできません。
そのため、Switch 2でVPNを利用するには、以下の2つの「間接的な方法」のどちらかを選ぶ必要があります。
方法1|PCの接続を共有する(モバイルホットスポット)
これは、あなたのPCを「VPN機能付きWi-Fiルーター」として使う方法です。
手順の概要
- PC(WindowsやMac)にVPNアプリをインストールし、VPNに接続します。
- PCの「モバイルホットスポット」機能を使って、VPN接続されたWi-Fiを飛ばします。
- Nintendo Switch 2を、PCが飛ばしたWi-Fiに接続します。
メリット 追加の機器(ルーター)が不要で、コストがかかりません。設定も比較的簡単です。
デメリット ゲーム中は常にPCを起動しておく必要があります。PCのスペックやWi-Fi機能によっては、接続が不安定になる場合があります。
方法2|VPN対応ルーターを導入する(推奨)
これは、家庭のネットワークの大元であるルーター自体にVPNを設定する、最も堅牢で安定した方法です。
手順の概要
- VPNクライアント機能を持つWi-Fiルーターを購入します。
- ルーターの管理画面で、契約したVPNサービスの設定情報を入力します。
- Nintendo Switch 2を、そのルーターのWi-Fiに接続します。
メリット 一度設定すれば、そのルーターに接続するSwitch 2、PC、スマホなど全てのデバイスがVPNで保護されます。接続が最も安定します。
デメリット VPNに対応したルーターを別途購入するコストがかかります。ルーター機種ごとに設定方法が異なり、技術的に少し複雑です。
【比較表】Nintendo Switch向け主要VPNサービス
このサイトでおすすめするVPNサービスは「NordVPN」「ExpressVPN」「MillenVPN」「CyberGhostVPN」です。
VPN選びに迷ったら、この4つのVPNサービスから選んでくださいね。
| NordVPN | ExpressVPN | MillenVPN
| CyberGhostVPN | |
|---|---|---|---|---|
| 管轄 | パナマ | 英領ヴァージン諸島 | 日本 | ルーマニア |
| ノーロギング | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 暗号化規格 | AES-256-GCM | AES-256-GCM | AES-256 | AES-256 |
| 暗号化プロトコル | OpenVPN IKEv2 / IPsec WireGuard | OpenVPN IKEv2 L2TP/IPsec Lightway | OpenVPN IKEv2 WireGuard | OpenVPN IKEv2 WireGuard |
| サーバー数 | 7,000台+ | 3,000台+ | 2,000台+ | 9,773台+ |
| 対象国数 | 108 | 105 | 106 | 91 |
| 同時接続 | 10 | 8 | 無制限 | 7 |
| 1ヶ月契約 | 1,620円/月 | 1,910円/月 | – | 1,790円/月 |
| 6ヶ月契約 | – | – | – | 1,000円/月 |
| 1年契約 | 620円/月 | 734円/月 | 594円/月 | – |
| 2年契約 | 390円/月 | 513円/月 | 396円/月 | 320円/月 |
| 日本語対応アプリ | レ | レ | レ | – |
NordVPN|人気No.1のVPN
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MillenVPN|安心の日本企業運営
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最大のメリットは日本語対応のアフターサービス。海外から日本のインターネットにアクセスに最適のプロバイダです。中国での利用もサポートしています。
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CyberGhost VPN|Netflixに特化
CyberGhost VPNは2011年設立のルーマニアに拠点を置く老舗VPNプロバイダーです。
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無料VPNをおすすめしない理由
VPN接続サービスの中には無料で提供されているものが存在しますが、無料VPNサービスは主に個人情報と通信ログの収集によって収益を得ています。無料VPNの利用は控え、有料のノーログポリシーのVPNサービスを利用することを強く推奨します。
無料VPNのリスクについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
- ユーザーの行動を追跡している可能性がある【個人情報の収集】
- ユーザーの活動情報を広告主に送信している【通信ログの収集】
- 不透明な運営元による個人情報の漏洩
- 通信の暗号化技術が低くセキュリティが貧弱
VPN利用の注意点とトラブルシューティング
VPNは非常に便利なツールですが、利用する上で知っておくべき注意点や、問題が発生した際の対処法があります。安心して使い続けるために、しっかりと理解しておきましょう。
任天堂の利用規約とVPN|BANのリスクは?
VPNの利用を考える上で、多くの方が「アカウントをBANされないか?」と心配になると思います。結論から言うと、VPNを使うこと自体は、任天堂の利用規約で明確に禁止されてはいません。
ただし、これは「グレーゾーン」であると認識しておく必要があります。リスクはVPNを使うことそのものではなく、「VPNを何に使うか」にあります。
- 危険な使い方|盗まれたクレジットカード情報などで不正に購入された、非常に安価な海外版ゲームの「CDキー」を有効化するためにVPNを使うような行為は、アカウント停止の重大なリスクを伴います。
- 安全に利用するためのポイント|公共Wi-Fiでのセキュリティ確保や、旅行先で自国のコンテンツにアクセスするなどの正当な目的で、信頼できる有料VPNサービスを使う限り、問題になる可能性は極めて低いと言えます。
接続が遅い・不安定な時の対処法
VPNを使うと、通信が遅くなったり、オンラインマッチングがうまくいかなくなったりすることがあります。そんな時は、以下の方法を試してみてください。
- 速度低下の対策
- サーバーを変更する|今接続しているサーバーが混雑しているのかもしれません。物理的に近い場所や、同じ国内の別のサーバーに接続し直してみましょう。
- 通信プロトコルを変える|VPNアプリの設定で、通信プロトコル(OpenVPN, IKEv2, WireGuardなど)を変更できる場合があります。より高速なプロトコルを試してみましょう。
- NATタイプ問題の解決策
- オンライン対戦で重要な「NATタイプ」が、VPN利用によって厳しくなる(タイプDやFになる)ことがあります。
- この問題は、VPNを設定しているルーターで「ポートフォワーディング」や「UPnP」といった設定を行うことで改善される場合があります。少し専門的な設定になるため、お使いのルーターやVPNサービスの説明を確認してください。
まとめ

Nintendo Switch 2で真の「快適なゲーム体験」を求めるなら、VPNの導入が必須です。オンライン対戦の勝敗を左右するPingの安定(スロットリング回避)、DDoS攻撃からの防御、そしてグローバルなアクセス(海外eShopやサーバー)のすべてに対応できるのはVPNだけです。
SmartDNSは導入こそ手軽ですが、その目的は動画視聴であり、ゲームのパフォーマンスやセキュリティには一切寄与しません。
Switch 2本体にVPNを直接インストールすることはできませんが、「PC接続の共有」または「VPN対応ルーターの導入」という方法で、VPNの恩恵を確実に受けることができます。私が本気でオンライン対戦の環境を整えるなら、初期投資はかかりますが、最も安定するVPN対応ルーターを迷わず導入します。快適なゲームライフのために、ネットワーク環境を見直してみましょう。





