海外に住んでいても、日本のニュースやドラマ、バラエティ番組をリアルタイムで楽しみたいと感じる方は多いはずです。
しかし、多くの日本のテレビ番組は日本国内に限定されており、海外からはそのままでは視聴できないケースがほとんどです。そこで注目されているのが「VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)」の活用です。
本記事では、VPNを活用して日本のテレビを視聴する方法を中心に、公式サービス、VOD、専用機器なども含めて、海外から日本のテレビを見るあらゆる手段を詳しく解説します。
海外で日本のテレビが見れない?ジオブロックの壁

海外から日本のテレビ番組を視聴しようとすると、「お住まいの地域からは視聴できません」といったメッセージが表示されることがあります。
これは「ジオブロック(地理的制限)」と呼ばれる仕組みによるものです。
ジオブロックとは?
ジオブロックとは、インターネット上のコンテンツへのアクセスを、利用者の地理的な位置情報に基づいて制限する技術のことです。多くの動画配信サービスやテレビ局のオンラインサービスは、このジオブロックを利用しています。
サービス提供者は、利用者がインターネットに接続する際に割り当てられる「IPアドレス」という情報から、アクセス元の国や地域を判断します。日本のテレビ番組の多くは、放送権やライセンス契約の関係上、日本国内でのみ配信が許可されています。そのため、海外のIPアドレスからのアクセスだと判断されると、視聴がブロックされてしまうのです。
どんなサービスがジオブロックされている?
日本国内向けの多くの人気サービスが、海外からのアクセスに対してジオブロックを導入しています。代表的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- TVer(ティーバー): 民放各局が共同で運営する、見逃し配信を中心とした無料の公式テレビポータルです。海外からの視聴は基本的にできません。
- Hulu Japan: 日本テレビ系のコンテンツが豊富な人気の動画配信サービスですが、日本国内限定のサービスです。
- NHKプラス / NHKオンデマンド: NHKの番組を配信するサービスですが、こちらも日本国内向けのサービスです。
- ABEMA: 多様なチャンネルを持つインターネットテレビ局ですが、一部コンテンツは海外からのアクセスが制限されます。
- その他民放各局のオンデマンドサービス: FOD(フジテレビ)、TBS FREE、日テレ無料TADA、ネットもテレ東なども、基本的に日本国内からの利用を前提としています。
これらのサービスを利用したい場合、何らかの方法でジオブロックを回避する必要があります。
日本のコンテンツが海外で見れない理由
日本のテレビ番組や関連コンテンツが海外で視聴できない主な理由は、放送権とライセンス契約にあります。
- 放送権・配信権の地理的制約: テレビ局が番組を放送・配信する権利は、通常、特定の国や地域に限定されています。日本の放送局が持つ権利は基本的に日本国内に限られるため、そのまま海外で配信することは契約上できないのです。
- 複雑な権利処理: ドラマや映画、アニメなどには、脚本家、出演者、音楽制作者など、多くの権利者が関わっています。これらの権利をすべてクリアし、国際的な配信許諾を得ることは、非常に複雑でコストもかかるため、実現が難しいケースが多くなります。
- ビジネスモデル: そもそも国内市場向けに作られたサービスであり、海外展開を前提としていない場合もあります。
これらの理由から、日本の放送局や配信事業者は、技術的な手段(ジオブロック)を用いて、海外からのアクセスを制限せざるを得ない状況になっています。
最有力!VPN経由で日本のテレビを視聴する方法

ジオブロックの壁を越えるには、VPNを使って日本からアクセスしているように見せかけるのが最も現実的で有効な方法です。
「VPNって何?」という方は以下の記事を参照してください。VPNを利用すると、海外から日本のテレビを視聴する以外にもさまざまな使い道があるので、ぜひご活用ください。
VPN経由で日本のテレビを視聴する手順
VPNを使うことで、日本国内のIPアドレスを一時的に取得できます。その結果、TVerやHulu Japanといった日本国内向けのサービスも、海外からアクセス・視聴できるようになります。
この記事では、コスパ最強の人気VPNサービス NordVPN を利用して、海外からVPN経由で日本のテレビを視聴する手順を解説します。
NordVPN公式サイトから、VPNサービスを申し込みます。
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VPNプロバイダ提供のアプリを利用して、日本のVPNサーバーに接続します。

VPN接続中に、TVerやABEMA、NHKプラスなど日本国内限定のサイトへアクセスします。
問題がなければ、そのままコンテンツを視聴できます。
テレビの利用後は、日本へのVPN接続を解除して通常のインターネット環境に戻します。
おすすめのVPNサービス
以下は、特に日本のテレビ視聴に強いとされるVPNサービスです。
NordVPN | ExpressVPN | MillenVPN
![]() | CyberGhostVPN | |
---|---|---|---|---|
管轄 | パナマ | 英領ヴァージン諸島 | 日本 | ルーマニア |
ノーロギング | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
暗号化規格 | AES-256-GCM | AES-256-GCM | AES-256 | AES-256 |
暗号化プロトコル | OpenVPN IKEv2 / IPsec WireGuard | OpenVPN IKEv2 L2TP/IPsec Lightway | OpenVPN IKEv2 WireGuard | OpenVPN IKEv2 WireGuard |
サーバー数 | 7,000台+ | 3,000台+ | 2,000台+ | 9,773台+ |
対象国数 | 108 | 105 | 106 | 91 |
同時接続 | 10 | 8 | 無制限 | 7 |
1ヶ月契約 | 2,110円/月 | 1,942円/月 | 1,496円/月 | 1,790円/月 |
6ヶ月契約 | – | – | – | 1,000円/月 |
1年契約 | 800円/月 | 1,000円/月 | 594円/月 | – |
2年契約 | 500円/月 | 748円/月 | 396円/月 | 320円/月 |
日本語対応アプリ | レ | レ | レ | – |
VPN以外で日本のテレビを見る手段

VPNが最も汎用性の高い方法であることは間違いありませんが、それ以外にも海外から日本のテレビコンテンツに触れる方法はいくつか存在します。
それぞれの特徴、メリット、デメリットを見ていきましょう。
公式の海外向け国際放送・配信サービス
日本の放送局自身が、海外在住者や外国人向けに公式に提供しているサービスです。合法性が保証されており、安心して利用できますが、視聴できるコンテンツには限りがあります。
- NHKワールド JAPAN: NHKによる無料の国際放送サービスです。主に英語で、ニュースや文化情報、ドキュメンタリーなどを世界に発信しています。YouTubeでのライブ配信や専用アプリ、ウェブサイトで視聴できます。日本のドラマやバラエティ番組は基本的に含まれません。
- NHKワールドプレミアム: 海外在住の日本人向けの有料放送サービスです。NHKの国内向け番組(ニュース、ドラマ、大河、朝ドラ、相撲など)を再編成して放送しています。主に日本語です。現地のケーブルテレビや衛星放送事業者を通じて契約するのが一般的ですが、事業者によっては提供されていない場合もあります。権利上の問題で一部番組が視聴できない「かぶせ放送」が発生することがあります。
- Jme (旧 テレビジャパン): アメリカとカナダ向けの有料ストリーミングサービスです。NHKの番組に加え、日本の民放各局のドラマ、バラエティ、映画なども提供しています。月額$25 USD(税別)で、ウェブサイトや専用アプリで視聴します。北米在住者にとっては有力な選択肢です。
- FASTチャンネルなど: 最近では、広告付きで無料視聴できる「FASTチャンネル」のような新しい形態のサービスも登場し始めていますが、まだ限定的です。テレビ東京などが海外向けにアニメ配信などを行っている例もあります。
公式サービスは安心感がありますが、日本国内と全く同じ番組ラインナップを期待することはできません。
グローバルVODサービス
NetflixやAmazon Prime Videoといった世界的に展開している動画配信サービスでも、一部の日本のコンテンツ(特にアニメや映画、オリジナル作品)が配信されています。
- Netflix: 国によって視聴できるライブラリが異なります。日本のNetflixはコンテンツが豊富ですが、海外からアクセスするには基本的にVPNが必要です。ただし、NetflixはVPN対策に力を入れているため、安定した視聴は難しい場合があります。
- Amazon Prime Video: Netflixと同様、地域によってコンテンツが異なります。日本のライブラリにアクセスするにはVPNが必要で、こちらも接続が不安定になることがあります。日本のアカウントや支払い方法が求められることもあります。
- Hulu (アメリカ版 vs 日本版): アメリカのHuluと日本のHulu Japanは全く別のサービスです。Hulu Japanは日本国内限定で、VPNが必要です。アメリカ版Huluでは日本のコンテンツは限定的です。
- Disney+: オリジナル作品に加え、一部の日本のアニメやドラマを配信していますが、地域によってラインナップは異なります。
- Crunchyroll: アニメに特化した世界最大級のサービスです。最新アニメのサイマル配信も多く、多言語字幕付きで視聴できます。皮肉なことに、日本国内からはアクセスできず(ジオブロック)、海外からは基本的にVPNなしで利用できます(一部地域限定コンテンツを除く)。アニメファンには有力な選択肢です。
海外の衛星放送・ケーブルテレビ
お住まいの国の衛星放送やケーブルテレビ事業者によっては、パッケージプランの一部として日本のチャンネルを提供している場合があります。
- 提供チャンネル: 主にNHKワールドプレミアムやNHKワールド JAPANが対象となります。民放チャンネルが直接提供されることは稀です。
- 利用方法: 現地のケーブルテレビ会社や衛星放送会社に問い合わせて、日本のチャンネルが含まれるプランがあるか確認します。
プレイスシフティング機器
テレパソやガラポンTVなどを日本の実家に設置し、インターネット経由で日本の放送を視聴できます。
Telepato(テレパソ)
日本国内に設置し、インターネット経由でライブ視聴・録画が可能です。合法的に日本のテレビを海外で視聴できます。
ガラポンTV
日本のテレビ番組を全録し、海外からアクセス可能。地デジ8chを約2週間録画、スマホやPCで視聴できます。
IPTVサービス
UBOXやKaitekiTVなどは、日本のチャンネルを多数視聴できると謳っていますが、合法性に疑問があります。
デバイス名 | 特徴 | 価格 |
---|---|---|
UBOX | 日本を含む世界各国のテレビが視聴可能 | 約20,000円〜 |
KaitekiTV NIPPON TV Web | 日本のテレビに特化したIPTVサービス | 約15,000円〜 |
UBOX (Unblock Tech)
数千チャンネルを提供するAndroid TVボックス。日本の有料チャンネルも含まれるが、合法性に疑問があります。
KaitekiTV / NIPPON TV Web
50〜60チャンネルほどの日本のテレビを月額料金で配信するIPTVサービス。手軽ですが、著作権的に問題があるとされています。
YouTube|日本のニュースなら無料
日本の最新ニュースを手軽にチェックしたいだけであれば、YouTubeの公式チャンネルが非常に役立ちます。
- ANNnewsCH(テレビ朝日)
- FNNプライムオンライン(フジテレビ)
- TBS NEWS DIG、NHKワールド JAPANなど
まとめ

海外から日本のテレビを見るには、VPNの利用が最も柔軟で汎用性の高い手段です。特にTVerやNHKプラス、Hulu Japanといった国内向けサービスを視聴したい場合、VPN+無料/有料VODの組み合わせが最適です。
一方で、公式サービス(NHKワールド JAPANやJmeなど)は安定性と合法性に優れていますが、視聴できる番組に制限があります。手間を惜しまないなら、プレイスシフティング機器の導入も有効です。
目的とリスクを天秤にかけながら、自分に合った方法を選ぶことが重要です。まずは、合法で安全な方法から試してみましょう。
VPNの導入は初期設定に少し手間がかかりますが、一度整えてしまえば、海外でも日本と同じようにテレビを楽しむことができます。