VPS(バーチャルプライベートサーバー)を活用してVPN(バーチャルプライベートネットワーク)を構築することで、安全な通信環境を確保できます。
特に、プライバシー保護やリモートアクセスのために、自前のVPNサーバーを運用するメリットは大きいです。
本記事では、VPS上でのVPN構築方法として、OpenVPN・SoftEther・WireGuardの3つの主要な選択肢を詳しく解説します。
それぞれの特徴や設定方法、メリット・デメリットを比較し、自分に合ったVPNソリューションを選べるようにしましょう。
VPSでVPNを構築するメリット
VPSを利用してVPNを構築することで、以下のような利点があります。
- プライバシーの確保:商用VPNと異なり、自分だけが管理するVPNサーバーを構築できる
- コスト削減:長期的に見ると、月額制のVPNサービスを契約するより安価
- 柔軟な設定:使用するプロトコルや暗号化方式を自由に選べる
- アクセス制限の回避:特定の国や地域で制限されているサービスを利用可能
これらのメリットを活かすために、最適なVPNソリューションを選びましょう。
OpenVPNでVPNを構築する方法
OpenVPNの特徴
OpenVPNは、広く利用されているVPNソフトウェアの1つで、強固なセキュリティと高い柔軟性を持ちます。主な特徴は以下の通りです。
- 強力な暗号化(AES-256など)に対応
- ほぼすべてのOS(Windows, Mac, Linux, Android, iOS)で利用可能
- ファイアウォールを突破しやすい(UDP/TCPを使用)
- 設定がやや複雑
OpenVPNのインストール手順
1. VPSの準備
まず、VPSを契約し、UbuntuまたはCentOSをインストールします。
2. OpenVPNのインストール
Ubuntuの場合、以下のコマンドでOpenVPNをインストールできます。
sudo apt update
sudo apt install openvpn easy-rsa -y
3. 証明書の作成
OpenVPNは、クライアント認証のために証明書を使用します。Easy-RSAを使って、必要な鍵を作成します。
4. OpenVPNサーバーの設定
/etc/openvpn/server.conf
を作成し、適切な設定を追加します。
5. クライアントの設定
クライアント側でも証明書を配置し、接続設定を行います。
SoftEtherでVPNを構築する方法
SoftEtherの特徴
SoftEtherは、日本で開発された高機能なVPNソフトウェアで、以下のような特徴があります。
- 複数のVPNプロトコルに対応(SSL-VPN, L2TP/IPsec, OpenVPNなど)
- GUIでの管理が可能(初心者向け)
- Windows, Linux, Mac, iOS, Androidで利用可能
- P2P接続も可能
SoftEtherのインストール手順
1. VPSの準備
VPSにUbuntuやCentOSをインストールします。
2. SoftEtherのインストール
公式サイトから最新のSoftEtherをダウンロードし、インストールします。
wget https://github.com/SoftEtherVPN/SoftEtherVPN_Stable/releases/download/v4.39-9772-beta/softether-vpnserver-v4.39-9772-beta-2021.08.17-linux-x64-64bit.tar.gz
tar xzvf softether-vpnserver-*.tar.gz
cd vpnserver
make
3. VPNサーバーの設定
vpncmd
コマンドを使用し、管理コンソールからVPNサーバーを設定します。
4. クライアントの設定
SoftEther VPN ClientまたはL2TPを利用して接続を設定します。
WireGuardでVPNを構築する方法
WireGuardの特徴
WireGuardは、比較的新しいVPNプロトコルで、シンプルかつ高速なVPN環境を提供します。
- 非常に軽量で高速
- 最新の暗号化技術を採用(ChaCha20, Poly1305など)
- 設定がシンプル(短い設定ファイルで管理可能)
- モバイル端末での利用に最適
WireGuardのインストール手順
1. VPSの準備
UbuntuまたはCentOSをインストールします。
2. WireGuardのインストール
Ubuntuの場合、以下のコマンドを実行します。
sudo apt update
sudo apt install wireguard -y
3. キーの生成
WireGuardでは、サーバーとクライアントごとに鍵ペアを作成します。
wg genkey | tee privatekey | wg pubkey > publickey
4. 設定ファイルの作成
/etc/wireguard/wg0.conf
にサーバーの設定を追加します。
5. クライアントの設定
WireGuardクライアントを使用して、接続情報を設定します。
VPNプロトコルの比較表
VPNソフト | セキュリティ | 設定の簡単さ | 速度 | 対応OS |
---|---|---|---|---|
OpenVPN | 高い | やや難しい | 中 | ほぼすべて |
SoftEther | 高い | 簡単 | 中 | ほぼすべて |
WireGuard | 非常に高い | 簡単 | 高速 | Windows, Linux, Mac, iOS, Android |
まとめ
VPSでVPNを構築することで、セキュリティやプライバシーを強化できます。本記事で紹介した3つのVPNプロトコルの特徴を整理すると以下の通りです。
- OpenVPN:高いセキュリティを提供するが、設定はやや複雑
- SoftEther:GUIを使って簡単に設定でき、多機能で便利
- WireGuard:シンプルな設定で高速な通信が可能
どのVPNソフトを選ぶかは、用途やスキルレベルによります。初心者ならSoftEther、高速通信を求めるならWireGuard、セキュリティ重視ならOpenVPNがおすすめです。
VPSを活用して、安全で快適なVPN環境を構築しましょう!