Steamは世界最大級のゲーム配信プラットフォームですが、その利用には地域制限や価格差といった壁が存在します。
こうした制限を回避するためにVPN(仮想プライベートネットワーク)を使うユーザーも少なくありません。しかし、VPNを利用して国籍を偽装すると、アカウントが凍結されるリスクがあることをご存知でしょうか?
この記事では、VPNを使ったSteam利用のリスクと規約違反の可能性、そして「実際にBANされるのか?」という疑問に徹底的に答えていきます。
安全にゲームを楽しむために、VPN利用に関する正しい知識を身につけましょう。
SteamでVPNを使う主な目的

SteamユーザーがVPNを利用する背景には、さまざまな理由が存在します。地域による制限を乗り越えたり、より良い条件でゲームを楽しんだり、あるいは単にオンライン上の安全性を高めたりするためです。
地域制限コンテンツへのアクセス|おま国回避
最も一般的な理由の一つが、地理的な制限、いわゆるジオブロッキングの回避です。特定の国や地域では、ライセンス契約や各国の法律、販売元の意向により、一部のゲームやダウンロードコンテンツ(DLC)が利用できない場合があります。日本では、海外で人気のタイトルが国内未発売となる「おま国」(お前の国には売らない、の意)状態が発生することがあります。
VPNは、ユーザーのIPアドレスを、コンテンツが利用できる国のサーバーのものに変更します。これにより、本来アクセスできないはずのストアページを閲覧したり、地域限定のゲームキーを有効化したりすることを試みるユーザーがいます。
ゲーム価格の地域差を利用した購入
Steam上のゲーム価格は、国や地域の経済状況、販売戦略によって大きく異なります。一部のユーザーは、VPNを使って物価が安いとされる国(例えばアルゼンチンやトルコなど)からのアクセスに見せかけることで、ゲームを通常より安価に購入しようと試みます。
しかし、このような価格差を利用した購入行為は、Steamの利用規約で明確に禁止されています。発覚した場合、アカウント停止などの厳しい措置が取られるリスクが非常に高いです。
ゲームリリースへの早期アクセス
新作ゲームのリリース日時は、世界共通ではなく、タイムゾーンに基づいて段階的に解禁されることがあります。例えば、日付変更線に近いオーストラリアやニュージーランドなどでは、他の地域よりも早くプレイできるようになる場合があります。
一部のユーザーは、VPNを利用してこれらの地域のサーバーに接続することで、自国での正式リリースよりも早くゲームへのアクセスを試みることがあります。これも地域制限回避の一形態と見なされる場合があります。
プライバシー保護とセキュリティ強化
地域制限の回避や価格操作とは別に、純粋にオンライン上のプライバシー保護やセキュリティ強化を目的としてVPNを利用するユーザーもいます。VPNはインターネット通信を暗号化し、ユーザーの実際のIPアドレスを隠します。
これにより、第三者による通信の傍受や追跡、インターネットサービスプロバイダ(ISP)による監視を防ぐ効果が期待できます。特に、カフェやホテルなどの公共Wi-Fiを利用してSteamにアクセスする際には、セキュリティリスクを低減する有効な手段となりえます。ISPによる通信速度制限(スロットリング)を回避する目的で利用されることもあります。
DDoS攻撃からの保護
オンライン対戦ゲームでは、他のプレイヤーからDDoS(分散型サービス妨害)攻撃を受け、インターネット接続を不安定にされるリスクがあります。VPNはユーザーの本来のIPアドレスを隠蔽するため、攻撃者が直接的なターゲットを特定しにくくします。
これにより、DDoS攻撃を受けるリスクを軽減する効果が期待されます。特に競技性の高いゲームでは、自衛策としてVPNを検討するプレイヤーもいるようです。
パフォーマンス改善の期待|ラグ低減やスロットリング回避
通常、VPNは通信経路が複雑になるため、遅延(ラグ)が増加し、通信速度が低下する傾向にあります。しかし、特定の条件下では、逆にパフォーマンスが改善する可能性も指摘されています。
例えば、ISPが特定のゲーム通信に対して帯域制限(スロットリング)を行っている場合、VPNで通信内容を隠すことで制限を回避し、速度が向上することがあります。まれに、ISPの通常の通信経路(ルーティング)が非効率的な場合に、VPNサーバーを経由することでより効率的な経路が見つかり、遅延が改善されるケースも報告されています。接続自体の安定性が向上する場合もあります。
アクセス制限環境でのブロック解除
一部の国や、学校、職場などのネットワーク環境では、管理ポリシーによってSteamへのアクセス自体がブロックされている場合があります。VPNは、このようなネットワーク上の制限を回避し、Steamに接続するために利用されることがあります。
これらの目的は単一であるとは限らず、複数の理由からVPN利用を検討するユーザーが多いでしょう。しかし、目的によってはSteamの規約に抵触するリスクが伴うことを理解しておく必要があります。
VPNで国籍偽装はSteamの規約違反

SteamでVPNを利用すること自体が即座に問題となるわけではありませんが、特定の目的、特に「居住地の偽装」にあたる行為は明確に禁止されています。この点を理解しておくことが、アカウントを守る上で非常に重要です。
Steamの利用規約第3条
Steamの利用規約(Steam Subscriber Agreement, SSA)は、ユーザーがアカウントを作成する際に同意する法的な契約です。この規約の第3条A項(支払いの承認)には、VPN利用に関する重要な規定が含まれ、VPNやプロキシを利用しての国籍を偽装する行為を禁止しています。
A. 支払いの承認
ユーザーは、ユーザーの所在地を偽る目的で(ゲームコンテンツの地理的制限を回避するため、ユーザーの地域に適用されない価格設定で注文または購入するためなど、いかなる目的であるかを問いません)、IP プロキシまたはその他の方法を利用しないことに同意しているものとします。ユーザーがこのような行為を行ったときは、Valve はユーザーアカウントへのアクセスを無効化する場合があります。
引用元:Steam利用規約
規約違反によるアカウント凍結のリスク
規約に違反した場合、Valveはアカウントの一時停止、永久BAN、ライブラリからのゲーム削除などを行う権利を有します。
特に購入時のVPN使用や、国籍変更の頻繁な試みは、非常に高いリスクを伴います。
ユーザーの行動履歴やIPアドレス、支払い方法の地域情報などが監視対象になっており、不正はすぐに検出される仕組みになっています。
アカウント凍結の具体例
実際にVPN利用が原因でアカウントが凍結されたという報告は、コミュニティフォーラムなどで散見されます。
特に、VPNを使って居住地を偽装し、安価な地域でゲームを購入しようとしたり、地域制限のあるゲームキーを有効化しようとしたりする行為は、Steam側が積極的に監視し、対策を講じている分野です。
- VPN経由でトルコからアクセスし、安価な価格でゲームを購入
- 支払い方法が日本国内のクレジットカード
- 地域情報とIPが一致せず、数日後にアカウントがロック
- サポートへ問い合わせても復旧不可
VPNでSteamアカウントの国籍を変更する手順

Steamの国籍を合法的に変更するには、正しい手続きを踏む必要があります。ここでは、ルールに則った変更方法を紹介します。
実際に引っ越した場合のみ変更可
Steamは実際に居住地が変わった場合に限り、ストアの国籍を変更できます。頻繁な変更や、VPNだけでの変更は許可されません。
手続きには、現地の支払い方法(クレジットカードやPayPal)が必要になります。これは、国籍変更の正当性を確認するための重要なステップです。
ストアの地域変更手順
- Steamクライアントで設定画面を開く
- アカウント設定→「ストアと購入履歴」を選択
- 「国の設定を変更」から新しい居住国を選ぶ
- 現地の有効な支払い方法を登録
Steam利用におすすめのVPNサービス

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VPN選びに迷ったら、この4つのVPNサービスから選んでくださいね。
NordVPN | ExpressVPN | MillenVPN
![]() | CyberGhostVPN | |
---|---|---|---|---|
管轄 | パナマ | 英領ヴァージン諸島 | 日本 | ルーマニア |
ノーロギング | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
暗号化規格 | AES-256-GCM | AES-256-GCM | AES-256 | AES-256 |
暗号化プロトコル | OpenVPN IKEv2 / IPsec WireGuard | OpenVPN IKEv2 L2TP/IPsec Lightway | OpenVPN IKEv2 WireGuard | OpenVPN IKEv2 WireGuard |
サーバー数 | 7,000台+ | 3,000台+ | 2,000台+ | 9,773台+ |
対象国数 | 108 | 105 | 106 | 91 |
同時接続 | 10 | 8 | 無制限 | 7 |
1ヶ月契約 | 2,110円/月 | 1,942円/月 | 1,496円/月 | 1,790円/月 |
6ヶ月契約 | – | – | – | 1,000円/月 |
1年契約 | 800円/月 | 1,000円/月 | 594円/月 | – |
2年契約 | 500円/月 | 748円/月 | 396円/月 | 320円/月 |
日本語対応アプリ | レ | レ | レ | – |
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まとめ

本記事では、SteamでVPNを利用する際の様々な側面について解説しました。地域制限の回避(おま国回避)や価格差の利用といった目的は魅力的かもしれませんが、これらはSteamの利用規約で明確に禁止されており、アカウント永久停止という非常に高いリスクを伴います。
SteamはIPアドレスだけでなく、特に支払い方法の地域情報を厳しくチェックしており、規約違反の試みは検知・阻止される可能性が高いです。プライバシー保護やセキュリティ強化といった目的でのVPN利用は、グレーゾーンではありますが、現在のところ厳しい罰則の対象とはなりにくいと認識されています。しかし、これも技術的には規約違反にあたる可能性があり、Valve社の方針次第でリスクは変動します。
VPNは通信速度の低下や遅延の増加を引き起こすことが多く、パフォーマンス改善が期待できるのは限定的な状況下のみです。VPNサービスを選ぶ際は、セキュリティ、速度、サーバーロケーション、信頼性などを考慮する必要があります。
最も重要なことは、Steam利用規約を遵守し、アカウントの安全を最優先することです。規約違反のリスクを冒してまでVPNを利用するメリットがあるか、慎重に判断してください。安全で快適なSteamライフのためにも、規約を守った利用を心がけましょう。