G検定 人工知能(AI)の定義・分類|AIの歴史『過去3度のAIブーム』

G検定受験者のために人工知能の定義と分類とその歴史についてまとめました。

人工知能に関する歴史を理解するには、過去に起こった3回のブームについて体系化して習得することが重要です。その時代のテクノロジーと社会ニーズ、コンピュータ性能の進化によって、その時代のブームの内容は異ってきます。また、近年の人工知能の脅威論が台頭してくる流れを理解することがポイントです。

この記事を読んでわかること
  • G検定に要求される人工知能の定義と分類
  • 人工知能に関する歴史「過去3度のAIブーム」の解説
目次

人工知能の定義と分類

人工知能(AI)とはArtificial Intelligenceの略称で、ロボットの脳に当たる部分であり、ロボットのみを対象としているわけではなく知的な処理能力を扱う学問です。

各専門家による人工知能の定義

以下の表はAI研究者によるAIの定義をまとめたものです。専門家の間でも人工知能の定義は定まっていないのが現状で統一的な定義はありません。

シトヒ
シトヒ

近い将来AIの定義が統一化されるかもしれませんね

研究者
(所属)
定義
中島秀之
(公立はこだて未来大学)
武田英明
(国立情報学研究所)
人工的につくられた、知能をもつ実態。あるいはそれをつくろうとすることによって知能全体を研究する分野
西田豊明(京都大学)「知能を持つメカ」ないしは「心を持つメカ」である
溝口理一郎(北陸先端科学大学院)人工的につくった知的な振る舞いをするためのもの(システム)である
長尾真
(京都大学)
人間の頭脳活動を極限までシミュレートするシステムである
堀浩一
(東京大学)
人工的に作る新しい知能の世界である
浅田稔
(大阪大学)
知能の定義が明確でないので、人工知能を明確に定義できない
松原仁
(公立はこだて未来大学)
究極には人間と区別が付かない人工的な知能のこと
池上高志(東京大学)自然にわれわれがペットや人に接触するような、情動と冗談に満ちた相互作用を、物理法制に関係なく、あるいは逆らって、人工的に作り出せるシステム
山口高平
(慶應義塾大学)
人の知的な振る舞いを模倣・支援・超越するための構成的システム
栗原聡
(慶應義塾大学)
人工的につくられる知能であるが、その知能のレベルは人の超えているものを想像している
山川宏
(元ドワンゴ人工知能研究所)
計算機知能のうちで、人間が直接・間接に設計する場合を人工知能と呼んで良いのではないかと思う
松尾豊
(東京大学)
人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術。人間のように知的であるとは、「気づくことができる」コンピュータ、つまり、データの中から特徴量を生成し、現象をモデル化することの出来るコンピュータという意味である
(出典)松尾豊「人工知能は人間を超えるか」(KADOKAWA)p.45

人工知能の分類

人工知能は知能レベルによって以下のように分類されます。レベル3より上位のAIは、実際に人間が明示的にプログラミングせずに機械が自ら学習します。

人工知能の分類
  • 【レベル1】シンプルな制御プログラム
    ・最も単純な働きをする人工知能(AI)としての制御プログラム
     例)エアコン、洗濯機などの家電制御
  • 【レベル2】古典的な人工知能
    ・探索・推論、知識データから、様々な局面に対して対応できる
     例)掃除ロボット、将棋ソフト、自動運転など
  • 【レベル3】機械学習を取り入れた人工知能
    ・多くのサンプル数から入力と出力のパターンを学習する
     例)Googleなどの検索エンジンなど
  • 【レベル4】ディープラーニングを取り入れた人工知能
    ・人工知能が自分自ら特徴量の学習ができる。
     例)画像認識、音声認識、自動翻訳の分野で活用が期待

「強いAI」と「弱いAI」

哲学者ジョン・サール氏が1980年に発表した論文で提唱した「強いAI」と「弱いAI」の分類。人工知能の脅威論による「強いAI」の概念と重なる。

「強いAI」と「弱いAI」
  • 強いAI
    「適切にプログラムを与えられたコンピュータが人間が心を持つのと同じ様に、プログラム自体も心を持つ」と定義される
  • 弱いAI
    「意識・思考を持たない人工知能」と定義され、特定のタスクに特化されたAI

重要単語

AI効果

すでに解決済みの人工知能技術は、人工知能ではなく自動化と捉える心理効果。時代によって人工知能の目指すところは随時変わっていきます。

人工知能の歴史 3度のAIブーム

AIブームは過去3回起こり「ブーム期」と「衰退期(冬の時代)」を繰り返しており、現在は3次AIブームに差し掛かっています。

過去2回のブームは、人工知能が実現できる技術的な限界よりも社会が人工知能に対して期待する水準を上回ることでその乖離が明らかになることでブームの終焉を迎えます。

AIブーム主なキーワード衰退理由
第1次探索と推論トイプロブレム
第2次エキスパートシステム知識獲得のボトルネック
第3次機械学習
ディープラーニング
(シンギュラリティ?)

人工知能の概念の起源(1950年〜)

イギリスの数学者アラン・チューリングが1950年に出した著書『計算する機械と人間』の中で、「機械は考えることができるか?」について唱えています。

チューリングテストとは?

当時チューリング氏は「機械が思考したかどうか」は「人との会話が成立したかどうかで判断する」とし、これを「チューリングテスト」と呼んでいます。

「人工知能」という言葉の誕生

1956年にアメリカで開かれたダートマス会議でジョン・マッカーシーが「人間のように考える機械」を「人工知能」と表現したのが最初です。

「アラン・チューニングによる人工知能の概念の確立」「ダートマス会議でジョン・マッカーシーが人工知能という言葉を定義」これらの過程を機に、AIは一気に世の科学者たちに認知されるようになり人工知能に関する研究が活発化していきます。

第1次AIブーム(1960年〜)「推論」と「探索」の時代

第1次AIブームは、1960年代に起きました。推論・探索の時代と言われます。

まず探索とは、迷路等の進むべき方向が複数あるときのゴールへの生き方の探索、あるいは、ボードゲームの次の手ついて、探索木(たんさくき)の手法で解決しようとしています。

2分探索木

探索のプログラムの進化、得にオセロやチェス、将棋などのゲーム等は探索すべきパターンが膨大なものが、プロを破るほどに進歩した大きな要因として、モンテカルロ法が採用されたことがある。

基本はその場面の特徴量を基準評価を行う様にプログラムは振舞うが、モンテカルロ法では、ある程度まで局面が進んだ段階で特徴量での評価を放棄して、次の手をランダム刺すとして、その手が勝利した割合で評価する様にプログラムする。この影響でプロに勝利するほどの成果をあげることができました。

AIの限界論 第1次AIブームの終焉

当時のプログラムは非常に限定的な状況でしか効果を発揮しないものであることがわかってきました。さらには、ニューラルネットワークが特定の分野で限界に達したこと、米国政府が機械翻訳の成果は当分先との報告書を出したことにより、第1次ブームは1970年代終わり、人工知能研究は冬の時代を迎える。

シトヒ
シトヒ

結局、当時はボードゲーム以外の使い道が見つからなかったのです。

覚えるべきキーワード

深さ優先探索  とにかく行き止まりまで掘り下げ
幅優先探索   同じ階層を全て調べてから次の階層に進む
特徴量     学習の入力に使う測定可能な特性
モンテカルロ法
ニュートラルネットワーク
機械翻訳

第2次AIブーム(1980年〜) 知識の時代

第1次ブームの時に作られた対話システムのIRAIZAは、知識ベースのプログラムはない簡単なルールをベースとしていますが、あたかも知的に振る舞うことができたがルール外の文言への対応力は高くなかった。第2次ブームは1980年代、知識をベースとした人工知能が活躍した。

エキスパートシステムの発展

第2次ブームでは「エキスパートシステム」が発展した。エキスパートシステムは、IRAIZAのようなルールに加えて、その分野の専門知識を取り込むことで、あたかもエキスパートのように振る舞うプログラムである。

主なエキスパートシステム

・スタンフォード大学で1970年代初めに開発されたMYCIN(マイシン)。MYCINは血液疾患患者に適切な抗生物質を提示するシステム
・生産・会計・人事・金融などさまざまな分野でエキスパートシステム。
・未知の有機化合物を特定するDENDRAL。

エキスパートシステムの課題

専門知識の蓄積の手間がかかったり、ルールが増えすぎるとお互いに矛盾したり、あいまいな条件下ではその判断が難しく、常識的なレベルの知識のプログラムのハードルが高かった。

その背景もあり、知識表現の研究が進められ、有名なものとして「意味ネットワーク」のモデル等がある。

人間の持つすべての一般常識をコンピュータに入力するプロジェクト等もある、サイクプロジェクト。30年たったいまだに書き終えることは完了していない。

こうした背景の中、知識を記載すること自体に関する研究が行われる様になり、オントロジー研究につながった。オントロジー研究は、大きく2つの流派にわかれ、「ヘビーウェイト・オントロジー」「ライトウェイト・オントロジー」と別れていく。

「ライトウェイト・オントロジー」研究の成果として、IBMのワトソンがある。このシステムは、クイズの回答において人間に勝利することができた。

AIの限界論 第2次AIブームの終焉

第2次AIブームでは人工知能での知識利用の面で大きく進歩したが、コンピュータその物が意味を理解することに関して解決できていない文章を正確に解釈するには状況や文脈の判断などの一般常識が必要になるが、この一般常識がコンピュータには難しい。

こういった問題から人工知能研究に限界があると考えられ、1995年ころには第2次ブームは去り、人工知能研究は再び冬の時代を迎える。

コンピュータが持つ主要な課題
・「知識獲得のボトルネック」    知識を獲得することの難しさ
・「フレーム問題」         関係ある知識だけを取り出して使うのが困難
・「シンボルグラウンディング問題」 記号と意味の紐付けが難しい

第3次AIブーム(2010年〜) 機械学習と特徴表現学習の時代

ビッグデータと呼ばれる大量のデータの利用のため、特徴量を自ら習得するディープラーニング(深層学習)が登場したことで、人工知能自ら知識を獲得する機械学習が実用化されました。

知識を定義する特徴とその特徴量を人工知能が自ら判別し学習するディープラーニング(深層学習)が技術的なブレークスルーを起こしたことがブームの背景にある。

象徴的な出来事

AlexNetが圧倒的差でILSVRC2012を優勝

2012年 ILSVRC(Imagenet Large Scale Visual Recognition Challenge)の画像認識競技でトロント大学のジェフリー・ヒントン率いるSuperVisionチームが開発したAlexNetが圧倒的な成績で優勝した。

AlexNet
  • 畳み込み層5層にプーリング層3層の計8層のディープニューラルネットワーク
  • 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の一種
碁のプログラムAlphaGoが人間に勝利

2015年10月にヨーロッパ王者のプロ棋士樊麾(ファン・フイ)を5-0で破る。初めてAIがプロレベルの人間にハンディキャップなしで破った。

2016年3月に数多くの世界戦優勝経験のあるプロ棋士李 世乭(イ・セドル)九段に挑戦し、4-1で勝ち越す。

AlphaGo

Google DeepMindによって開発されたコンピュータ囲碁プログラム

自動車の自動運転実用化

2021年3月ホンダが世界初となるレベル3の『自動運転』車を発売

AI最新動向 ホンダが自動運転レベル3を世界初の市販化 走行中の電話やメールが可能となります。

シンギュラリティに関する懸念の台頭

シンギュラリティとは

人工知能が十分に賢くなって、自分自身よりも賢い人工知能をつくれるようになった瞬間、無限に知能の高い存在が出現するというもの

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書) | 松尾 豊 (著) 

現実世界では人工知能の技術を用いて、チェスや将棋、オセロ等のボードゲームやクイズ等の特定の条件では、すでに人間を超えています。

自動車やロボットの様なハードウェアにおいても、人工知能を利用して、「自動運転(オートノーマス)」の技術開発が盛んになってきています。

インターネットの分野では検索エンジンで機械学習と呼ばれる人工知能の技術が使われている。

一方で、人工知能技術が発達するにつれて人工知能が人の仕事を奪うのではないかという懸念や、シンギュラリティに関する脅威論が出てきている。

シンギュラリティ(技術的特異点)に対する有識者の見解

G検定には高頻度でシンギュラリティに対する有識者の見解についての出題があります。必ず「誰が」「何を」提唱したか把握しておきましょう。

有識者見解
レイ・カーツウイルシンギュラリティは2045年に到来する
ヒューゴ・デ・ガリスシンギュラリティは21世紀の後半に到来し、そのとき人工知能は人間のち脳の1兆の1兆倍になる
イーロン・マスクシンギュラリティの到来に危機感を持ち、非営利のAI研究組織OpenAIを設立
オレン・エツィオーニたとえば100万年後、特異点を迎える可能性はあります。けれど賢いコンピュータが世界制覇するという終末論的構想は「馬鹿げている」としか言いようがありません
ヴァーナー・ヴィンジシンギュラリティは機械が人間の役に立つふりをしなくなること
スティーブン・ホーキングAIの感性は人類の終焉を意味するかもしれない
シンギュラリティに対する有識者の見解

まとめ

1956年に人工知能の概念が提唱されてから、その定義が定まらないまま人工知能の進化に伴い、分類化が進められています。AI効果が原因で、その時代での人工知能の定義は変わってくるイメージはつかめるのではないでしょうか。

この記事では第1次〜第3次AIブームの主要なトピックについて解説していきました。AIのトレンドの大きな流れを理解することで、AIのニーズとその応用に関する知識を体系化できたのではないでしょうか。

また、近年AIの進化とともに台頭するシンギュラリティという人工知能に対する脅威論も必然的なことなのではないでしょうか。そして、現代社会ではAIに関する法整備や倫理規定の必要性を認識していきます。

現在進行中の第3次AIブームはディープラーニングの台頭によってブレークスルーしブームの最中ですがどのように終焉するのでしょうか。はたや、AIなしでは成り立たない社会になることでAIブームの終焉は迎えることはないという可能性もあると思います。

シトヒ
シトヒ

AIを活用するのと同時に法整備や倫理規定の議論が活発になっています。

これがG検定で時事問題が多くなってる理由ですね。


G検定の全体的な学習方法は下の記事にまとめているので参考にしてみてください。
G検定は初心者でも独学で合格可能! 【合格者が教える5ステップ学習法の紹介】

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